|
気恥ずかしさで胸がいっぱいだ。知佳さんにあんな説教をするほど私は偉い人間じゃない。あれは私じゃなくて、なにか別の物が乗り移って、言わされてしまったような気がする。 店に顔を出した。社長がミーちゃんと戯れていた。ミーちゃんにはお土産を買ってきたのだ。本式のカツオブシだ。いつか悪口を言ってしまった借りを返さなきゃね。丸のままのカツオブシを見るのは初めてなのか、最初は警戒していたけど、すぐに齧りついた。ギャオギャオ。 社長には今日起きた事を話した。話しているうちに涙が出た。 「デカちゃん、よくやったね。大変だったろう。」 「いえ、ここまでするつもりはなかったんですけど。何だか後にひけなくなっちゃって。」 「そうさせちゃった責任を感じてますよ。済まなかったね。」 「いえ、そんな・・」 「ちょっと一杯やろうか。店はもう閉めよう。」 お店を閉めて社長がボトルを出してきた。ウイスキー? 「こんなのしか用意がないんだけど。シェリーウッドのシングルカスクさ。」 「うわあ、甘い香り。」 「これはね、シェリー酒の樽で保存したウイスキーなんだよ。だから樽由来の甘い香りがついているんだ。でもその味わいの底にウイスキーの素の顔が垣間見える。」 「へええ〜。何だかこう、きっついわあ、アルコール度数が。ああでも、なんでしょこの土のような木のような後味・・」 「おおわかったかね。それそれ、それこそ本性の素顔さ。最後に物を言うのはそういうもんさ。デカちゃんも照れることはないよ。デカちゃんがいつか言ってたじゃないか、そういう行動があった以上、そういう行動を起こす心があったと思うしかないって。」 「うわ〜、ちょっと違いますけど恥ずかしい〜。あの、もう一杯いただけますか?」 「おお、気に入ってもらえたかい?」 「このお酒も美味しいですけど、でもそれ以上に・・恥ずかしくって恥ずかしくって、酔わずにはいられませ〜〜〜〜んんん・・・」 次の日また大山小山の刑事コンビがやって来た。今度は警察署に連れて行かれて事情聴取だ。面子をつぶされたって事なのか二人とも不機嫌だった。知佳さんは肋骨が3本も折れていたそうだ。救命措置で折れた事になっているとか・・・(赤面)。 高木さんはお詫び方々鍵を取りに来て、それ以来音沙汰がない。どうやら引っ越していったみたいだ。白山さんは退院して、また地域猫推進会活動を盛り上げている。社長を勧誘し始めて、私はちょっと心配している。瀬里奈ちゃんは時々店にきてミーちゃんと遊んで行く。中学を出たらマッサージ師を目指すというから、とりあえず高校は出といたほうがいいんじゃない、と言ってやった。 お客も少しずつ増えてきた感じだし、まっ順調順調。頑張りましょう、頑張りますともっ! あ、お客様だ。さあ〜今日も一丁揉んでさしあげますかっ! 完結 |
| << 前記事(2006/12/23) | トップへ | 後記事(2006/12/24)>> |
| タイトル (本文) | ブログ名/日時 |
|---|
| 内 容 | ニックネーム/日時 |
|---|
| << 前記事(2006/12/23) | トップへ | 後記事(2006/12/24)>> |